策士カクのおすすめ本
秘本三国志(一)〜(六)
著者 陳舜臣
発行所 文春文庫
この本は私が三国志の本で、なにを一番すすめるかと聞かれたときに必ず一番最初に答える本です。この本は数多くある三国志本の中でも変わった視点から三国志の世界を眺め、また小説でありながら正史を基本ベースにおいて、しかも正史に記述のない部分においては著者がおおいに想像を膨らまし読み応えのある物語に仕上げています。
この本を楽しむためには、ある程度の三国志の基礎的な知識がないと十分に楽しめないかもしれません。この本に書かれている内容の多くは事実として記録に残っていないのですが、必ずしもあり得ないことではないと思わせるのがすばらしいところであり、それどころか実際はこうだったのかもしれないなと思わせるほどです。
とにかく三国志のストーリーは頭に入ってるよって人は楽しめる、損のしない一品だと思います(もちろん、これを買って損したからどうにかしろと言われても責任は持てないのですが・・・。最終的には自分の判断で買ってくださいね)。
蒼天航路(1)〜(15)
著者 王欣太 原作 李學仁
発行所 講談社
いろいろな評価がある本ではありますが、やはりオススメとして挙げなければならない一冊でしょう。この本は三国志を題材とした漫画としては横山光輝氏以来の傑作であると思います。まず、なんといっても素晴らしいのがイラストです。漫画の命は見た目にあるのかと感じさせるほど登場人物には魅力があふれています。さらに、話自体が曹操主人公の曹操絶対主義みたいな批評を受けはしますが、大筋は正史準拠で私にはそれほど変には感じません。なかでも劉備に至っては、これこそ私の抱いていた劉備のイメージにもっとも合致していると感じたほどです。
正史準拠でありながら、斬新なアイデアが詰まっているこの漫画は、三国志初心者にも楽しめる、新三国志ファン獲得のための入門書になっていくのではないでしょうか。